2026/05/03 11:38

おはようございます、GTJスタッフで宝石コレクターのノリちゃんです。



今回はナイジェリア産サファイア10ctの紹介を軸に、

ナイジェリア産サファイアについて深堀りしてみます。






鉱物の形成

ナイジェリア産はカルメーン、エチオピア辺りと同じ時期に形成されたサファイアとなります。

アルカリ玄武岩起源である為、オーストラリアやカンボジアの様なくすんだ様な物が多い傾向にあります。

またこちらにおいては、鉄分が関係している可能性が高く、

ナイジェリア産は割と濃色の緑色、黄色、そして青色が概ねメインの色相となります。

産出としては多くが二次鉱床であり、基本的に樽型・紡錘型原石の形ではなく、

イメージとしては翡翠海岸の翡翠等、ある程度揉まれて丸くなっている原石がメインです。


(ナイジェリア産ブルーサファイア)

ナイジェリア産の美しいブルーサファイア、ロイヤルブルーカラーは目を見張る物があります。

下の方にも記載しますが、産出される物の中には、濃い青色、くすんだ青色の物も多い為、加熱処理を施されます。

ちなみに、ミャンマー産やカシミール産あたりで形成された地質によるブルーサファイアは風合いが変わりますね。

地層や形成された時期等は、場所によって被る事もあります。

特に、タイから半径1500km程は同品質の物が取れる事も多く、

研究所のランク、石の状態(加熱処理など含む)によっては産地判定の誤診もあります。




ナイジェリア産サファイアの産地と特色

どの国のどの鉱物にも言えますが、ナイジェリアサファイアも産地(鉱山)がいくつかあります。

数十年前からナイジェリア産は知られてはいましたが、高品質なブルーサファイアは最近になってから。

サファイア自体は何か所か出ておりますが、カルメーンとの国境にほぼ近いマンビラ高原にて、

青色のサファイアが主に出ております。

(ナイジェリア産コーンフラワーブルーサファイア)

ブルーサファイアは、マンビラ高原の他に、

ナイジェリア中央、そして北東の3カ所がメインと言われています。

マンビラ高原産サファイアは基本的にブルーサファイアしか出ない事から、

今回の大粒サファイアはグリーンサファイアが産出するナイジェリア中央(アンタン鉱山産)の可能性が高いです。




ナイジェリア産サファイアの処理

基本的には他の産地と同じく、加熱処理になります。

鑑別書によくコメントされる「色の改善を目的とした加熱」と言うフレーズ、まさにその通りです。

色が濃すぎる物、シルキーなタイプは加熱をして改善を促します。

(非加熱ナイジェリア産サファイア)

こちらのシルキーサファイアはかなり綺麗で、程の良いシルキーさだった為、処理はされていない様です。

ただ、これ以上色が深くなる、これ以上シルキーの場合は処理をされて透明度と色の改善をされる事があります。

「市場に出ている99%は加熱処理がされている」と言われており、

綺麗であれば加熱であっても価値が上がる為、素材によっては積極的に加熱し価値を引き出す事も、

理にかなっています。

ここに関して言えば、買い手の要望ではなく、売り手の思惑が強くなる部分となります。




今回この記事を書くにあたって紹介をする大きな Bi-Color Sapphire 10.216ct 。

明るい黄色、強めの緑色、その緑色に潜む青色とシルキーさ。

写真右上に面白い内包物、中央には右上から左下にかけて成長線が見られます。

大きな個体インクルージョンはなく、ユニークかつ綺麗なサファイアとなっています。


角度を変えてみると分かる様に右下にインディゴブルーの様な青色部分があります。

紹介ではバイカラーとしていますが、パーティーカラーと言ってもいいでしょう。

「正面から見る緑色」と「角度を付けてみる緑色」もまた雰囲気が変わります。


強めの光を当てると上に書いた「シルキーさ」というのが分かりやすくなります。

ルースケースにいれたままでも綺麗ではありますが、

重量感やカラーを楽しむのであれば、やはりケースから出して見て頂きたいピースです。

昔はある程度見た5ctアップや10ctアップのサファイアも大分市場から数が減った印象があります。

コランダム専門店としたGemTreeJapanでも、なかなか用意できない大きさです。



プロポーションも勿論良いのですが、地球が作ったサファイアを堪能して欲しいと思います。








参考資料:
CGL通信、中央宝石研究所、GIA